2008年11月30日

【NEXT -ネクスト-】2分先の未来をレビューする



081130-01.jpg この映画を観て思ったのは、ニコラス・ケイジはコレクターなのではないか、ということだった。コレクターというのは、ヒットしそうなテーマと俳優を組み合わせるコレクターという意味である。そして、そこそこ観せる映画を製作する。

 『ナショナル・トレジャー』のようにヒットした映画は続編を製作するが、たいていは同じ系統の映画は製作しない。まあ、自分の映画会社を持っているので、俳優としてだけではなくプロデューサーとして映画を作り続けなければならない事情もあるにしても、このコッポラの甥の映画はけっこう同じジャンルの映画は少ない。まあ、金のかかる歴史物の大作はまだのようだけどね。

 
 『NEXT -ネクスト-』は、ニコラス・ケイジのコレクションとしては、

フィリップ・K・ディック原作もの

というコレクションであろう。ディック原作のSF映画は十指ちかくあるが、SF作家としてはもっもと多く原作として使われている。ニコラス・ケイジは自分のコレクションに「ディック原作もの」を追加したかったに違いない。もう一つのコレクションは、ジェシカ・ビールとの共演だろうか。本人のインタビューでは、刑事コロンボ、ピーター・フォークとの共演もコレクションの一つだったようだ。

081130-02.jpg 原作は『ゴールデン・マン』という短編。原作といっても予知能力を持つ主人公を借りてきただけで、ストーリーやシチュエーションは全く無縁。話題作りのために「ディック原作」の冠をつけたと言われても仕方のないところだろうか。

 原作の有無はともかく、「2分先の未来を見る」というアイディアはけっこう興味深い。というより、2分先の未来がわかれば、世界を征服できることがわかる映画であった。それほど予知能力は強力なのだ、たとえ2分先であってもである。

 予知能力者が登場する映画では、SFであろうとサスペンスであろうと、ストーリーの都合で予知することが決まっていることがよくある。たいていは予知は限定された能力であって、たまたま頭に浮かんだイメージであったり、予知は未来の一部分だけだったりする。つまり曖昧な予知に登場人物が右往左往し、クライマックスになって予知の本当の意味がわかる。

 しかし『NEXT -ネクスト-』の予知はそうではない。予知能力を「2分先の未来を見る」ことだけに限定した。そして2分先であれば、確実に想定した未来を、自ら行動しようと考えた結果を知ることができるのだ。

 確実な予知能力を持った人間は、どのように考えどのように行動するのだろうか。その点をけっこう掘り下げているのが『NEXT -ネクスト-』なのである。ストーリーを盛り上げるために、予知能力があるのではなく、予知能力を持った人間はどのように行動するのかということがテーマとなっているといってもよい。そう思って観ると興味深く観ることができるのではないか。

 ニコラス・ケイジ演じるクリスが、自らの能力に束縛され、売れないマジシャンとして身を隠し、カジノで小銭を稼いで生きていこうとするのは、さもありなんという設定だろう。しかし、彼が自らの能力を後ろめたさを感じず、本気で目指せばどのようなことでも叶うのではないか。世界征服も可能だろう、たとえ、リズと出会わなくてもである。





posted by jin-k at 22:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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