2009年02月27日

【007/カジノ・ロワイヤル】ラストで辞表を撤回したボンドの閉ざされた心



090227_CASINO ROYALE.jpg 『007/カジノ・ロワイヤル』はなんといっても、冒頭のマダガスカルのシーンが緊迫感があっていい。マイアミ空港の派手なアクションシーンよりも、マダガスカルは出色だろう。ありきたりのアクションシーンではなく、生身の体で演じているようなシズル感が伝わってくるではないか。

 今回のジェームズ・ボンドは、なんとMI6に辞表を書くのだ。辞表を書くジェームズ・ボンドは普通では考えられない。勧善懲悪のスパイものではなく、悩めるスパイになったのが、ダニエル・クレイグの007ということだろう。どちらかというと、主人公のキャラクターは『24』のジャック・バウアーに近いかも。悩めるヒーローでなければ、観客は共感できないのでしょうな。

 
 女に「愛している」といい、

今の仕事を辞めて
他のまともな仕事を見つけてもいいと思うくらいに。
どういう仕事をまともというのか、わからないけどね。

この仕事を続けていると魂が腐っていくだろう。


(日本語吹き替え)


などと宣う。いままでのジェームズ・ボンドとはひと味もふた味も違う。

090227_CASINO ROYALE2.jpg 事件が起きるたびに、彼は何かを失っていくに違いない。傷ついた心を押し殺しながら、ダブル・オーの職務を果たし、心がぼろぼろになっていくのではないか。今回の事件だけで、ボンドの心が氷のように閉ざされた冷血漢になるわけではないだろう。そういうジェームズ・ボンドだからこそ、ストレスに取り囲まれた現代社会の厳しい現実に向かい合っている観客は己を重ね合わせることが可能なのかもしない。

 回を重ねるごとに、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは、そのポーカーフェースの顔に、悲しみを積み重ねていく。そうなれば、007の世界も大きく変わっていきそうである。

 メインのボンドガールはエヴァ・グリーンだが、ラテン系の魅力たっぷりのカテリーナ・ムリーノの出番が少なかったのは少し残念。






posted by jin-k at 22:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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