2009年04月07日

【ROME[ローマ]】一タレントは約一万五千デナリウス[3]



ROME[ローマ]コレクターズBOX 第二話でカエサル銀鷲旗が盗まれて、それを探しに行くとき、カエサルがアントニウスに与えた資金が

二分の一タレント

であった。タレントは金の単位である。アントニウスがカエサルから受け取った資金の半分である四分の一タレントをヴォレヌスに金貨で渡すことから、けっこうな金額であることが想像される。しかし、それでは現代の金額に直すといくらくらいなのだろうか。

 タレントという金の単位は、もともとは貨幣ではなく金の重量を指した。時代によって重さは変わるが、古代ではよく使われる単位である。およそ26キログラムだとか50キログラムなど諸説ある。

 ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫) (文庫)
 『ローマ人の物語第八巻』で塩野七生は

二十タレントはおよそ三十万デナリウス

だと書いている(文庫版8巻98ページ)。タレントとデナリウスの換算比率は時代によって異なるだろうが、この時代を扱った著作としては信頼してもいいに違いない。

 ということは、この時代、一タレントは約一万五千デナリウスということになる。この記述部分では、青年期のカエサルが弁護士稼業で失敗したとき、元老院派に睨まれて、ほとぼりをさますためにロードス島に向かう途中に海賊に捕まった話が紹介されている。

 そのときに要求されたカエサルの身代金の単位が「タレント」である。海賊は金塊を要求したのだ。海賊が決めたカエサルの身代金は「二十タレント」であった。なんと、カエサルは自らの身代金を五十タレントに増額したのである。どうやら、殺されないために増額したらしい。カエサルは身代金を払って釈放された後、海賊を征伐し、支払った身代金を回収するのだ。

 それでは一デナリウスはいくらだろうか。当時の軍団兵の年給は七十デナリウスだった。七十デナリウスあれば、多くの兵士が1年間喰っていけたことになる。ということは、七十デナリウスは数百万円ということではないだろうか。

 軍団兵は衣食住が保証されているし、カエサルの叔父であったマリウスの軍政改革で、無産階級までも軍団兵になることが可能になったので、それほど高い金額ではないかもしれない。

 だいたい、一デナリウスは日本円にすると、二万〜三万円程度ではないかと思われる。つまり、軍団兵の年給は約二百万円程度ということである。昔は貧富の差は大きく、もっと安かった可能性もあるが、命を賭けて戦う兵士の給料としては妥当ではないだろうか。

 もし、一デナリウスが二万〜三万円程度だとすると、一タレントは三億〜四億五千万円ということになる。ということは、アントニウスはヴォレヌスに軍資金として、一億円程度の資金(同額を着服したということでもあるが)渡したということになる。

 銀鷲旗が友好部族以外に手渡った場合、返還交渉には金がかかる。その程度の金は機密費としては、妥当な金額かも知れない。ヴォレヌスは使わなかった四分の一タレントをカエサルに返したのであろうか。






 
タグ:ROME[ローマ]
posted by jin-k at 21:53 | Comment(1) | TrackBack(0) | 古代ローマ史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深く読ませてもらったのですが、最後の方でなぜ1タレントが3億から4億5千万になるんですか?
計算があわなくて疑問になりました。
回答よろしくお願いします
Posted by 世界史好き at 2016年06月01日 03:28
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