2009年04月10日

【イーグル・アイ】テロと管理社会への強迫観念がテーマの映画だった



イーグル・アイ [Blu-ray] アクション映画を製作するのは難しい。派手なアクションのためにはそれなりの理由が必要だ。ファンタジーとして割り切れば派手なアクションには限界がないが、その場合はよほど「見せる」絵が必要だろう。『トランスフォーマー』などは、SFというよりファンタジーのノリだろう。

 アクション映画を手がける監督は、より現実的な設定のなかでリアリティを求め、なおかつ派手なアクションをちりばめたい。さらに最新テクノロジーを組み込んで、観客が

今の技術でそんなことが可能なのか


と思わせることが必要になってくる。実際できなくても、そう思わせることが大事である。しかし、この映画はよりリアリステックにサスペンスフルに盛り上げているが、最後まで見るとやはりSFだった(まあでもアクションに分類しておくけど)。

  しかしそれにしても、最近の町中のカメラは外部からコントロールできるらしい。交通監視用のカメラは固定されていて、向きを変更したりできないと思うが、最近の映画では簡単に向きやパンやズームの倍率を変えることができるようだ。『24シーズン4』でもそういうシーンがあったし、『ダイハード4.0』では、テロリストがハッカーの自宅のUSBカメラのアングルを遠隔操作するシーンがある。USBカメラに角度を変えるような駆動系が搭載されていて、しかも外部のネットワークからコントロールできるとは思えないのにね。

 『イーグル・アイ』を観ていて思うのは、テクノロジーで監視されたりすることへの強迫観念の強さがアメリカにはけっこう根強くあるということ。テロに対する恐怖と同じようにあるのだろう。社会がすべてデジタル化されネットワーク化されることで、厳格な管理社会が出現するのではないかという恐怖がどこかにあるの違いない。もっともジョージ・オーウェルの時代ほどではないにしてもだ。いずれにしても、テクノロジーの進化に人間がついて行けてないのは確かだろう。

 世の中のすべてのデバイスを集中管理するのは無理。エシュロンだって傍受が苦手なものはある。家庭のあるDVDレコーダーを携帯電話で設定を変更することはできるかもしれないが、そのためには専用のソフトが必要になる。DVDレコーダーの機種ごとに個別のソフトが必要だ。どんな携帯電話からでも、どんなDVDレコーダーに接続して自在にコントロールすることはまず無理だろう。何もかもを機械がコントロールできるとしても、それは遠い未来に違いない。コンピュータが目的に合わせてプログラムコードを生成できるような時代になれば可能性はあるにしてもだ。

 『イーグル・アイ』は

スピルバーグが長年温めていたアイデア


アイ, ロボット [Blu-ray]らしいが、内容的には『アイ・ロボット』の現代版みたいな話だろうか。解釈を自らの都合のいいようにねじ曲げるところとかはそっくり。「謎の女」の行動原理にもっとも説得力が欲しかった。いくら技術が進んでもあんな不良品に生殺与奪の権利を与えるとは思えない。冒頭のシーンだけでは、彼女が暴走する理由は十分とは思えないからだ。

 あまり小難しいことを考えずに、ストーリーの展開を追いかけて観れば、緊迫感があってけっこう面白い映画である。ブラザー・コンプレックスの捻くれ男と、不幸な男運を嘆くシングルマザーの組み合わせはなかなか面白い。謎に女にせかされつつ、ケンカする中で互いに自分自身を省みるシーンがあることで、主人公たちには感情移入しやすくなっている。

 主演はシャイア・ラブーフミシェル・モナハンロザリオ・ドーソンビリー・ボブ・ソーントンが脇を固める。ちなみに国防長官は『ファンタスティック・フォー』でシング役のマイケル・チクリスだった。国防長官はちょいと軽いかも。





posted by jin-k at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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