2009年09月29日

【バビロン A.D.】希求される最後の審判の「神」



 ヴィン・ディーゼル主演の近未来SFが『バビロン A.D.』である。世界的に低強度紛争やテロが鳴り止まず、世紀末を感じさせるような時代設定の中で、見せ場のあるアクションを盛り込みつつ、退廃的・冒涜的な現代をバビロンに譬える。

 元傭兵でテロリストのトーロップが、ニューヨークに行くまでの道のりが分かりにくい。馴染みのない地名が多いためだろう。トーロップが最初にいたのは「新セルビア」だ。旧ユーゴスラビアのセルビアだと思われるが、あえて「新」と付けるということは、紆余曲折があってあらたに生まれた「セルビア」なのだろうか。つづいて移送用ヘリで車ごと運ばれるのはキルギスタンの山中にある尼僧院。キルギスのどのあたりだろうか。

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 三人が列車にのるのは、ロシアのカザフスタン国境にあるトロイツクである。ロシヤにはトロイツクという街は山ほどあるが、字幕のテロップで

54°06′N、61°34′E.

と表示されるので、カザフスタンの北西方向にあるトロイツクであることがわかる。キルギスから人気の少ない道路を選んでトロイツクに向かったようだ。キルギスからカザフスタンを縦断してシベリア鉄道に乗るのであれば、オムスクの方が近いからだ。トロイツクからはシベリア鉄道はでていないが、トロイツクの北方にあるチェリャビンスクシベリア鉄道の正式な起点。どうやらトロイツクからそのまま線路が繋がっているらしい。そしてシベリア鉄道でウラジオストクに向かっている。

 ウラジオストクに到着するまえに線路の下に大きな穴が空いているシーンがある。まるでロシアの原子力潜水艦が爆発したかのような大きさではないか。ウラジオストクからは、原子力潜水艦でベーリング海峡を渡る。ベーリング海峡の先はアラスカだと思うが、何故かしらカナダになっている。アメリカはシベリアをカナダに売り渡したらしい。

 カナダからアリメカまでをスノーモービルで走破する。無人攻撃機リーパーのかなり後の後継機らしい無人機が登場する。無人機で攻撃にするにしても、空から人が監視しているはずなので、なかなか逃げ切れそうもないと思うが、どうだろうか。これからは地上攻撃に無人機を使うことが多くなることを予感させるシーンであった。

 オーロラが生むのは本当に「神」なのか。あるいは神に挑み腐敗した現代のバビロンを救うために現れた「救世主」なのか。おそらく砂漠の神のように、悪人には鉄槌を下し、善人のみを救済する神ではないか。彼女は罪のない人が死ぬときに涙を流し、悪人には冷眼を向ける。悪人が栄える現代に救うには、鉄槌を持って断罪する荒ぶる「神」の登場が求められているのだろう。荒ぶる神こそが地球を救うのである。

 しかしそれにしても、何故双子? うむー、よくわからん。ないと思うが、続編への伏線か。また神の祖母であるスーパーコンピュータの知識からは神は生まれないと思うので、もう一捻り欲しいところ。

 ヴィン・ディーゼルは『リディック(正確には『ピッチ・ブラック』)』以来(まあ、『プライベート・ライアン』のカパーゾ二等兵も上司の命令を聞かない兵隊だったけどね)、こういう一匹狼の無頼ものがはまり役になってしまった。確かに無頼漢ははまり役だが、逆に本当はもっともっと気の弱い男を演じた方が面白いかも。




posted by jin-k at 20:56 | Comment(1) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
無人兵器はこれからの戦争の主役になりそう。全長約1メートル、重量1.9キロRQ-11 レイヴンとかは、これからの映画にも登場しそうですな。これからさらに小型化すると、ますますSFの世界に近くなる!?

◆米国の無人兵器、空・陸で導入
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2683088/5170500

Posted by jin-k at 2010年01月16日 16:47
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