2010年01月08日

【ドゥームズデイ】ニール・マーシャルはローナ・ミトラに何を見た



 2008年4月3日、スコットランドのグラスゴーで正体不明のウイルスが蔓延する。致死性と伝染性が極めて高く、ワクチンが開発できないために、イギリス政府は、かつてローマ時代にあったハドリアヌスの壁(長城)より以北を鉄壁で封じ込めた。そして27年後の2035年、ロンドンで再び同じウイルスが発見される。ウイルスで死滅したはずのグラスゴーで人影が見いだされていて、ウイルスのワクチンを求めて、特別部隊が編成されグラスゴーに向かう。

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 『ドゥームズデイ』はSFというより、単なる、しかし過激なアクション映画と思った方がいい。直訳すると「審判の日」という大仰でベタなタイトルだが、SF破滅ものというにはほど遠い内容だろう。主演するのは特別部隊のエデン・シンクレア隊長役のローナ・ミトラである。ローナ・ミトラにとっては実質的に初主演ということではないだろうか。

 過去の映画で彼女が出演したものをたぐっていくと、古いものではポール・ヴァーホーヴェン監督の『インビジブル』がある。ケヴィン・ベーコンが凶暴な透明人間となる映画だが、ローナ・ミトラはケヴィン・ベーコン演じるセバスチャンの隣人の魅力的な女性で、シャワーを浴びた後に透明人間のセバスチャンに襲われる役である。その後、『ナンバー23』や『ザ・シューター/極大射程』で重要な役所を演じて、『ドゥームズデイ』で初主演となった。

100108-02.jpg 『ドゥームズデイ』の監督は『ディセント』のニール・マーシャルだが、『ドゥームズデイ』は『ディセント』のように張りつめたホラーではない。『ディセント』は、洞窟に閉じこめられ何者かに襲われるという恐怖を縦糸に、女同士の険しい嫉妬が横糸に織り込まれ、最後まで緊張感を保ち続けた傑作ホラーである。

 翻って『ドゥームズデイ』は、単にドンパチするアクション映画。廃墟や中世風の舞台を用意してなかなか楽しめる内容になっている。この映画には登場する女性が少ないが、リード伍長のノラ=ジェーン・ヌーンとケイン博士の娘クレイのマイアンナ・バリングは、『ディセント』に登場するホリーとサムである。

 ニール・マーシャルは、なぜローナ・ミトラを主演に選んだのだろうか。おそらく、雰囲気がケイト・ベッキンセイルに似ているので、アクションさせると話題性があると思ったのではないか。さすがにセリーンのように黒い革を一身に纏うことはなかったが、タンクトップながら全身黒ずくめは同じである。

100108-03.jpg おそらく『ディセント』で脚光を浴びたニール・マーシャルは、アクション映画での商業的成功を考慮してローナ・ミトラを起用し、セリーンっぽい格好をさせたのではないかと思う。話題性という意味では、捜索するケイン博士役のマルコム・マクダウェルとハッチャー首相役のアレクサンダー・シディグは、叔父甥の関係。これも共演させることで話題性を狙ったに違いない。

 さて、ケイト・ベッキンセイルとローナ・ミトラは二人ともロンドン生まれだが、ローナ・ミトラはベンガル(インド東北部)人とアイリッシュの混血であり、ケイト・ベッキンセイルの父方の祖父はミャンマー人だっだという。いずれも東洋人との混血であり、それがエキゾチックな雰囲気を持たせているのかもしれない。

 『アンダーワールド:ビギンズ』よりも『ドゥームズデイ』の方が先に製作されたが、日本では当初未公開であった。内容的にはB級アクションなので、劇場公開やDVD発売、レンタルの可能性も低かったが、ローナ・ミトラが『アンダーワールド:ビギンズ』で主演を演じたので、商業的価値が生まれたといえそうだ。そういう意味では、ニール・マーシャルは先を見る目があったのかもしれない。







 
posted by jin-k at 19:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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