2011年12月03日

【パンドラム】宇宙船で再現されたオーク鬼生誕の秘密



 西暦2174年を舞台にしたスペースシップスリラーSF。地球の資源が枯渇し、人類が争い合う中、人間の移住できる惑星「タニス」が発見される。惑星「タニス」に移住すべく6万人を乗せた宇宙船エリジウムがつくられて人類の未来を担って旅立った。乗員・乗客が冷凍睡眠のまま航行する中、操船する3人のクルーに驚くべき事態がもたらされた。

 111203-01.jpg タイトルの「パンドラム-Pandorum」の意味がわかりにくい。しかしあまり深く考えないほうがいいように思う。「Pandora」に場所を示す語尾を「um」をつけただけだろう。水瓶を意味する「aquarius」に「um」をつけると、水族館を意味する「aquarium」になるように、語尾の「um」は場所を表している。したがってクルーがこの病気にかかると宇宙船に災厄が訪れる場所になるという程度の意味ではないか。

 この映画のプロデューザーはポール・W・S・アンダーソンである。相変わらず嫁さんのミラジョボといいコンビだが、『パンドラム』では監督はせずプロデューサーとしてリストされている。アンダーソンはこの映画を作るとき、一体何を考えていたのだろうか。未来の宇宙船でゾンビをSF的解釈で再現しようとしたに違いない。

 『指輪物語─ロード・オブ・ザ・リング』に登場するオーク鬼はどのようにして生まれたのかご存知だろうか。オーク鬼はエルフから生まれたのである。つまり、エルフとオーク鬼は、生物種としては同種で、同じ遺伝子を持っているということである。

 もともと中つ国には、モルゴス(メルコール)という悪の化身がいた。彼はキリスト教的に言うと、堕天使ルシファーである。『指輪物語─ロード・オブ・ザ・リング』に登場する魔王サウロンはモルゴスの使い魔の一人だった。格で言うと、サウロンとガンダルフはもともと同じ地位になる。大天使ではなく、並みの天使というところだろう。モルゴスは唯一神ヴァラールに滅ぼされたが、最初にエルフを捕まえて拷問にかけオークを生み出したとされる。

 この映画を見ていると宇宙船に巣くう悪鬼たちは、エルフがオークに変質していくときのイメージを想定しているのではないかと強く感じた。ポール・W・S・アンダーソンは、オーク鬼を未来の宇宙で再現したかったにのではないか。おそらくエルフは拷問されるだけでなく、共食いも強要され理性や倫理を失っていったに違いない。それだけでなく、モルゴスの魔力で邪悪な生物に変えられていったのだろう。

 この映画では、狂気に走った独裁者によって拷問され理性や倫理を喪失した人々が、共食いし世代を重ねるうちにモンスターに変貌したと説明されている。移住先環境に適応するための酵素が投与されていることによって、暗くて冷たい宇宙船で生きるために素早く適応してしまった。その結果、数世代で無惨にもゾンビのように生まれ変わったと言える。あの悪鬼のオリジナルイメージは間違いなくオーク鬼である。

111203-02.jpg 『HUNGER ハンガー』という映画がある。B級の映画で、洞窟に閉じ込められた5名の男女が水だけで生きることを強要されるという内容である。閉じ込められた人間は共食いするのか、という実験台にされてしまった5人の物語である。この映画によると、人間は30日間は水だけでも生きることができるそうである。

 人間が飢餓に襲われると、体内の脂肪を燃焼させた後、タンパク質を燃焼させ肝機能が低下するという。そして生きることだけしか考えなくなるという。つまり大脳皮質が機能しなくなるのだ。そうなると理性を失い、カニバリに抵抗を感じなくなる。劣悪な状況下で、人間が共食いするのは歴史が証明している。

 災厄の場所と化した宇宙船に巣くう悪鬼の謎を探りつつ、崩壊寸前の原子炉を再起動させるまでをサスペンスフルに描く。長い眠りから覚めたクルーのバウアー伍長にベン・フォスター、同じチームのペイトン中尉にデニス・クエイド、バウアー伍長が宇宙船でさまよう中で出会う生物学者ナディアにアンチュ・トラウェ、ベトナム人マンに格闘家のカン・リーを配する。


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タグ:パンドラム
posted by jin-k at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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