2017年04月22日

【ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー】カイバー・クリスタルが全ての鍵だった



「スター・ウォーズ」の版権がジョージ・ルーカスにある間、スピンオフ作品は境界線上にあった。スピンオフは小説であったり、アニメであったりするが、必ずしも映画と同じ世界のものとは限らず、同人誌にあるような二次作品的な扱いであった。正式に公開された映画のみを「正史」とし、それ以外は「野史」の扱いであった。もちろん小説もアニメもルーカスフィルムの許諾を得て製作されているが、それでも継子扱いであることはかわりなかった。


 スターウォーズ関係の小説やアニメの設定を認めてしまうと、ルーカスが新作映画を作るときに足枷となる可能性がある。かといってスピンオフ作品や小説版のシークエルシリーズなどは著作権ビジネスの大きな柱であるから、無視することはできない。二次作品扱いにしておけば、それらの設定と映画の設定の整合性は無視することができるからだ。

 ところが「スター・ウォーズ」の版権がディズニーに移り、「正史」の扱いが広がろうとしている。つまり今まで二次作品扱いであったスピンオフの作品が映画化されることになった。それが「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」である。このスピンオフ映画は続々と企画されていて、すでにハン・ソロの若い時のエピソードが決まっていて、さらにオビ・ワン・ケノービのスピンオフも噂されている。これらは「正史」なのか「野史」なのか、どうでもいいことだが気になる。

170422-400.jpg

 初めてのスターウォーズスピンオフ実写映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」はエピソード4「新たなる希望」直前のエピソードとなった。デス・スターの設計図は、どのようにしてレイア姫の手元に渡ったのか。共和国軍は帝国の極秘情報をどのようにして奪取したのか。「ローグ・ワン」を名乗った共和国軍兵士の死闘が、

聖都ジェダ・シティのある砂漠の衛星ジェダ
帝国の秘密研究施設がある惑星イードゥー
シタデル・タワーのある熱帯の島礁惑星スカリフ

で繰り広げられる。

 エピソード4のオープニングには

時は内乱の嵐が吹き荒れるなか
凶悪な銀河帝国の支配に対し
反乱軍の宇宙艦隊は秘密基地から
奇襲攻撃を仕掛け、初めての勝利を
手にした。

その戦闘の間に、反乱軍のスパイは
帝国の究極兵器に関する秘密の
設計図を盗み出すことに成功した。

とある。「ローグ・ワン」の内容からいうと、すこし違うのではないか。ローグ・ワンが命令に従わず突出したので、共和国軍の宇宙艦隊はそれに引きずられて出撃したのである。

170422-01.jpg この物語で鍵を握るのは「カイバー・クリスタル」である。いままでライト・セーバーの核になるものは単に「クリスタル」とのみ呼ばれていたが、「ローグ・ワン」ではカイバー・クリスタルと呼ばれるようになった。フォースと共振すると言われるカイバー・クリスタルは、ライト・セーバーのような武器になるだけでなく、巨大なものはデス・スターのような破壊力を持った兵器にもなるのである。

 コルサントでカイバー・クリスタルを研究していて、そこから逃げ出したゲイレン・アーソ役にデンマーク生まれのマッツ・ミケルセン。彼は『キング・アーサー』でトリスタン役を演じてハリウッドで知られるようになり、『007 カジノ・ロワイヤル』の悪役ル・シッフルでスターダムにのし上がった。ダニエル・クレイグ版007の悪役ではピカイチの存在感だろう。

 ゲイレン・アーソの娘で主人公のジン・アーソにフェリシティ・ジョーンズ。ホーキング博士の伝記を扱った「博士と彼女のセオリー」で注目を集めた。この映画でエディ・レッドメインはアカデミーに輝き、フェリシティ・ジョーンズもノミネートされた。その後、『アウトバーン』『インフェルノ』と主演映画が続いている。もう三十路を超えているが、童顔なのに強い意志を感じさせる女優である。

170422-02.jpg ジン・アーソを助ける共和国軍の情報将校であるキャシアン・アンドーにディエゴ・ルナ。ディエゴ・ルナは最近ではニール・ブロムカンプ監督の『エリジウム』でマックス・ダ・コスタの相棒フリオを演じていたことが記憶に新しい。映画のパンフレットには情報将校とあるが、実際には共和国軍の汚れ仕事を請け負う特殊部隊のリーダーである。キャシアンの部下たち罪食い人はスカリフで死兵となってトルーパーの精鋭部隊と戦う。

 ジェダ・シティからゲイレン・アーソのいる惑星イードゥーにカイバー・クリスタルを運搬していた貨物船のパイロットがボーディー・ルックである。ボーディー・ルックはリズ・アーメッドが演じている。リズ・アーメッドはダン・ギルロイ監督の『ナイトクローラー』で有名になり、最近では『ジェイソン・ボーン』にアーロン・カルーア役で出演している。ラッパーでもある。

 ジェダ・シティの寺院の守護者にチアルート・イムウェ(ドニー・イェン)とベイズ・マルバス(チアン・ウェン)の二人がいる。ジェダ・シティでの戦闘でジンとキャシアンを助けたことで行動をともにする。二人とも中国人だが、イメージとしてはラマ教の僧兵という感じだろうか。ドニー・イェンはハリウッドきってのカンフー俳優で、チアン・ウェン(姜文)は俳優だけでなく監督でもある。

 帝国軍のセリュリティ・ドロイドで再フォーマットされたK-2SOはアラン・テュディックが演じている。モーションキャプチャの第一人者はアンディ・サーキスだが、彼は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でスノークを演じている。K-2SOのモーションキャプチャには、『アイ,ロボット』でロボットのサニーを演じたアラン・テュディックをキャスティングした。アラン・テュディックはディズニーアニメ映画での声の出演が多い。

 ジン・アーソの育ての親、ソウ・ゲレラはフォレスト・ウィテカーが演じている。『ラスト・キング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞を受賞した俳優のフォレスト・ウィテカーは説明するまでもない。精力的にさまざまな映画に出演している。なお、ソウ・ゲレラはアニメ「Star Wars Rebels(スター・ウォーズ 反乱者たち)」にも登場する。「Star Wars Rebels」はエピソード3と4を繋ぐアニメシリーズ。ソウ・ゲレラの登場はルーカスの提案らしい。

 スピンオフ第一弾『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はデススター生誕秘話ともいうべき内容をふまえつつ、その設計図を奪うため悲壮な覚悟で強大な帝国軍に立ち向かう人々の話である。フォースは出てこないが、一つの映画として観たとき、本編よりも拳を握りしめる面白さにあふれている。もっとも自爆テロさながらのハンマーヘッドの宇宙船には驚いた。あんなの、ありかよ。

 ところで、ボーディー・ルックはジェダ出身である。彼はジェダから惑星イードゥーにカイバー・クリスタルを運んでいた。ジェダ・シティにあるカイバー・クリスタルを帝国軍が奪い取る様に憤りを感じていて、ゲイレン・アーソの依頼を承諾したのはわかるが、ソウ・ゲレラが惑星ジェダにいたのは、単なる偶然だろうか。その辺りはもう一度よく観てみないとわからない。それとも、「Star Wars Rebels」の中でソウ・ゲレラが隠れ家として衛星ジェダを選んだ理由が描かれるのか。少し気になるところである。


PS.ソウ・ゲレラがジェダにいたのは、カイバー・クリスタルを略奪する帝国軍と戦うためでした。ジェダ以外にも帝国と戦う場所はあったかもしれませんが、ソウ・ゲレラはカイバー・クリスタルが究極の破壊兵器に使われることを知っていたからこそ、ジェダで帝国軍に抵抗していたようです。
posted by jin-k at 15:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | スター・ウォーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック