2017年05月06日

【ジェイソン・ボーン】アルジャーノンのスパイ映画版だったのか



 三部作で終わったとされたジェイソン・ボーンシリーズが再起動した。前作からおそらく十年以上が過ぎて、人目を逃れて生きてきたジェイソン・ボーンがCIAの陰謀に巻き込まれて、人間兵器ジェイソン・ボーン誕生の謎と、トレッド・ストーン作戦での父親の関与を知る。デイヴィッド・ウェッブがジェイソン・ボーンになった秘密が明らかになる。


 最初の「ボーン・アイデンティティー」は製作された2002年を舞台にしている(と考えられる)。続く「ボーン・スプレマシー」は2004年の公開で、物語も前作の二年後を舞台にしている。しかし三作目の「ボーン・アルティメイタム」は2007年に公開されたが、「ボーン・スプレマシー」の最後であるモスクワのキエフ駅から始まり、それ以後の話となる。

20170506-01.jpg 「ボーン・アルティメイタム」でのイギリスの新聞記者サイモン・ロスとニール・ダニエルズの会話では、ジェイソン・ボーンがCIAから指名手配を受けたのは三年前としているので、「ボーン・アイデンティティー」の事件から三年後だとすると、「ボーン・アルティメイタム」は2005年の出来事でなければならない。もっともロスの言う「三年前」は、「ボーン・スプレマシー」の事件の後、三年後ということなのかもしれない。それでも2007年である。

「ボーン・アルティメイタム」では「ボーン・スプレマシー」の事件の後CIAの会議になり、それは六週間後とテロップされる。そしてジェイソン・ボーンがマリーの兄(弟)のマーティン・クルーツにパリで会うシーンになり、その後ボーンは電車に乗ったとき、新聞でロスの記事を見つけ、ロスに電話してロスに会うのである。ということは、ボーンはキエフ駅から逃れた後、六週間後もしくは一年後にマーティンのもとに出向き、マリーが殺されたことを告げたのだろう。

 ちなみにマーティン・クルーツを演じたダニエル・ブリュールは「イングロリアス・バスターズ」でのドイツのスナイパー、フレデリック・ツォラーや、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のソコヴィア人のジモ大佐を演じている。

20170506-02.jpg マット・デイモン主演のジェイソン・ボーンシリーズは、一旦三部作で終わり、四作目としてスピンオフ的な扱いで「ボーン・レガシー」が製作された。「ボーン・アルティメイタム」によってCIAの極秘計画が暴露されたため、トレッド・ストーン、ブラック・ブライヤーだけでなく、それに続くアウトカム計画も闇に葬られた。アウトカムの工作員がCIAの粛正から逃れるというストーリーで、ジェレミー・レナーがアウトカムの工作員アーロン・クロスを演じた。したがって、「ボーン・レガシー」は2012年製作ながら、時代は2005年ということなる。

 ジェイソン・ボーンシリーズ第5作「ジェイソン・ボーン」は、時代を明示していないが、ギリシャでの暴動を舞台にしている。時代背景はおそらく2015年だろう。そうなると、「ボーン・アルティメイタム」と「ジェイソン・ボーン」では約10年の年月が流れていることになる。このシリーズはやっと現代に追いつきつつある。ジェイソン・ボーンはパメラ・ランディにCIAの極秘計画を暴露した後、10年の間姿を隠していたわけだ。年代を綴るとこんな感じになる。

2002年 ボーン・アイデンティティー
2004年 ボーン・スプレマシー
2005年 ボーン・アルティメイタム、ボーン・レガシー
2015年 ジェイソン・ボーン


 ジェイソン・ボーンのシリーズはポール・グリーングラス監督の代表作と言われている。しかし「ボーン・アイデンティティー」の監督はダグ・リーマンで、「ボーン・アルティメイタム」以後ダグ・リーマンは監督を退き製作を担った。「ボーン・レガシー」ではトニー・ギルロイが監督した。このシリーズの脚本はすべてトニー・ギルロイが書いており、シリーズの基本的な構想はすべてトニー・ギルロイが担当している。「ボーン・アイデンティティー」の原作はロバート・ラドラムだが、実質的には原作はトニー・ギルロイといっても言い過ぎではないかもしれない。

20170506-03.jpg トレッド・ストーンのジェイソン・ボーン、アウトカムのアーロン・クロスが肉体も頭脳もなぜ図抜けているのかは、マット・デイモンのシリーズではほとんど語られない。しかしトニー・ギルロイが監督した「ボーン・レガシー」では、アルバート・ハーシュ博士とダン・ヒルコット博士の研究について、突っ込んだ言及が行われる。

「ボーン・レガシー」は錠剤によって能力を高めたアウトカムの工作員が、錠剤の支配から逃れるためにCIAと戦うというストーリーである。アーロンは高い知能や苦痛緩和などを錠剤に頼らないようにするために、ウイルスによって遺伝子に組み込む必要があった。「ボーン・レガシー」に限れば、「アルジャーノンに花束を」のスパイ版という感じがしないでもない。

 レイチェル・ワイズのマルタ・シェアリング博士の説明では、1985年にヒルコット博士が

細胞の受容体(レセプター)の
遺伝子地図を見つけたの

ことで、細胞内に遺伝情報を送ることが可能になったという。おそらくグリーンの錠剤は全身の細胞に作用し、ブルーの錠剤は脳細胞に作用するのだろう。レセプターは特定の物質が体液にある時それを受け取って細胞内に作用するもの。レセプターの遺伝子地図を見つけたことで、異なる化学物質で細胞内の遺伝子情報を書き換える方法を見つけたということだろうか。

 トレッド・ストーンのジェイソン・ボーンもまた錠剤によって能力を高めていたが、記憶喪失に陥ったボーンはなぜか錠剤を摂取しなくても、身体も知能も能力を保持できるようになっていた。その疑問については、まだ語られていない。いずれ次回作以降で、語られることを期待したい。もっともデイヴィッド・ウェッブの場合は、高い知能を持たせるブルーの錠剤は不要だったと思われる。

 なんからの薬で人間の身体能力や知能を飛躍的に高めることは可能だろうか。それはよくわからない。パーキンソン病の治療では、ウイルスに遺伝情報を載せて細胞に送り込み、細胞内の遺伝情報を書き換えるという方法を使っている。ここでは活性ウイルスを種痘のように体内に持たせて、体内の遺伝情報を随時書き換えていくと思われる。もし遺伝情報を書き換えることで、人間の身体能力や知能を高めることが可能であれば、マルタ・シェアリング博士の言う1.5%の向上でも、人間兵器は可能かもしれない。


 アーロス・クロスの「ボーン・レガシー」は続編がアナウンスされている。もっともジェレミー・レナーのスケジュールが詰まっているので、少し先になりそうだ。「ジェイソン・ボーン」の続編も当然企画されているだろう。そしていずれジェレミー・レナーのアーロス・クロスとマット・デイモンのジェイソン・ボーンが共演することをトニー・ギルロイは予定しているに違いない。十分期待していい。もちろん興行収入がよければの話だが。

「ジェイソン・ボーン」では、CIAの局員としてアリシア・ヴィキャンデルのヘザー・リーが登場する。アリシア・ヴィキャンデルはスウェーデンの女優で、マイケル・ファスベンダーと交際している。彼女はマイケル・ファスベンダーが製作・主演した「アサシン クリード」への出演をオファーされたが、それを断ったらしい。アリシア・ヴィキャンデルは「ジェイソン・ボーン」に出演することを選んだのである。

 おそらく、アリシア・ヴィキャンデルは「ジェイソン・ボーン」に出演する方が、自らのキャリアを高めると判断したのではないか。となると、出演交渉の際に、一作だけではなく、シリーズ複数の作品への出演をオファーされたと考えても不思議ではない。「ジェイソン・ボーン」はまだ当分続くシリーズになりそうである。



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posted by jin-k at 16:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | アクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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