2012年05月12日

【ザ・ロード】観客の想像力が試されるサバイバル映画だった



 アメリカ現代文学の最高峰の一人とされるコーマック・マッカーシーの原作を映画化したもの。『ザ・ロード』はポスト・アポカリプティック・ノベルで、破滅後の世界を旅する一人の男とその息子をテーマとする。文明社会での価値観を持ち続けようとするが喪失感で摩滅していく男と、破滅後の世界しか知らない無垢な少年の対話を通して生きる意味を我々に問いかける。

 続きは次をご覧下さい
posted by jin-k at 20:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノーカテゴリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月14日

【7つの贈り物】聖者と狂気は紙一重



 ウィル・スミス演じる主人公の本当の名前は最後までわからない。ベン・トーマスは弟の名前だろう。奥さんの名前はサラ・ジェンセンなので、姓はおそらくジェンセン。となると弟と名字が異なるのは何故? しかしいずれにしても、本当の名前は隠されたままである。

 『7つの贈り物』は簡単に言うと「贖罪」の物語だが、だれの視点からベンの行為を見るのかで感じ方が変わってくる。ベンの立場から見ると、たとえ彼の過失で7人の命が失われたとしても

それはあり得ない

と誰もが感じるのではないか。そこで拒否反応が生まれると感動することはないかもしれない。

 続きは次をご覧下さい
posted by jin-k at 13:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノーカテゴリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月24日

【フィクサー(MICHAEL CLAYTON)】マイケル・クレイトンがタクシーの中で考えたこと



081024-01.jpg なんと不思議な日本語版のタイトルではないか。日本人の感覚でいえば「フィクサー」は、「黒幕」という意味合いが強い。映画の字幕ではフィクサーに「もみ消し屋」という訳語を与えているが、ジョージ・クルーニーマイケル・クレイトンは黒幕ではなく、トラブル・シューターというところだろう。日本語のタイトルに「フィクサー」とつければ、注目度がアップすると考えたに違いない。少なくとも原題のままに「MICHAEL CLAYTON」とすれば、タイトルによって関心を惹起する効果はほとんどないからだ。

 ジョージ・クルーニーのマイケル・クレイトンは、強面するもみ消し屋という印象はまったくない。冒頭でクライアントのひき逃げにもみ消しを求められるケースでも、「もみ消す」のではなく、最善と思われる方法を提示するだけだ。法の網を破ってまでも、もみ消すわけではない。

 そういう意味では、「フィクサー」というより、すこし強引な「コンサルタント」といった方がより正確ではないか。法解釈のあいまいな部分については、倫理観よりクライアントの利益を優先するということだろう。

 

続きは次をご覧下さい
posted by jin-k at 20:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノーカテゴリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月10日

【ノーカントリー】結末で知る生々しく変質したアメリカの黄昏



 『ノーカントリー』は不思議な映画だ。アクションでもなく、クライム・サスペンスでもない。ましてや社会派の問題提起の映画というわけではない。製作者のコーエン兄弟のことはよくしらない。いままで関わった映画のリストを見ても、知った映画はなかったからだ。いろいろと「絶賛」されているが、『ノーカントリー』に関していえば、結末を見たときに感じたのは、かなりいびつな構造の映画ではないかとということだった。

 もともとこの映画のタイトルは

No Country for old men

となっている。直訳すると、「老人のための国はない」という意味になる。映画のタイトルにある「old men」、つまり老人とは、トミー・リー・ジョーンズが演じるエド・トム・ベル老保安官を指す。

 続きは次をご覧下さい
posted by jin-k at 12:15 | Comment(2) | TrackBack(1) | ノーカテゴリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする